「弥勒菩薩」
弥勒菩薩のお話です。五仏の付いている冠をかぶり、手に宝剣を持っている姿が一般的ですが、像としては京都広隆寺の国宝弥勒菩薩半跏思惟像は世界的に有名で、右手の薬指を頬にあてて物思いにふける表情からは抒情的、神秘的な感動を受けます。サンスクリット語でマイトレーヤと言い、「慈氏」を表し、菩薩でありながら未来に必ず成仏することから「未来仏」とも言われ、弥勒如来とか弥勒仏とか呼ばれることもあります。そして、菩薩や如来の殆どが過去仏であるのに対して、未來に出現するのは弥勒菩薩だけです。その点から格別の仏といってよいでしょう。その真言は、「オン マイタレイヤ ソワカ」です。
現在、兜卒天で修行中であり、釈尊入滅から56億7千万年後に釈尊の後継者として出世され衆生済度されるといわれます。兜卒天とは釈尊がこの世に生まれる前にいたとされる世界です。この56億7千万年後とは途方もない遠い未来ですが、これは太陽系の余命とほぼ同じだそうです。地球が生まれて46億年ですが、地球の寿命はあと約10億年だそうですから、合わせると56億年となります。ちょうど地球と太陽系の寿命が尽きたころに弥勒菩薩が出世する計算になります。
合掌
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